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   沢井と最後に会ってから、一週間が経っていた。  あれから何の接触もない。  可哀想だとは思うが、オレにはオレの生活があると辰郎は達観していた。  聡美と夕食のバンバンジーを食べながら、やはり彼女との暮らしが一番の幸せだと感じた。  聡美の手料理は辰郎の胃袋を幸せに満たしてくれる。  もう佐伯朱莉とは完全に関係を切った。  聡美との時間こそがオレの幸せそのものだ。  だが、鼻歌まじりに缶ビールを口にあてた時だった。  玄関のインターフォンが鳴った。聡美がはーいと余所行きの声で向かう。  ほどなくして、不安な表情でリビングに戻ってきた。 「タ―君、警察の人が」 「えっ!?」  ビールを噴き出しそうになった。呼吸を整えてから玄関に向かった。  きっと沢井だ。そう思いドアを開くと、知らない男の顔がふたつ並んでいた。 「沼並(ぬまなみ)警察署の者です。武下辰郎さんで間違いないですね」  男たちは刑事だった。眼光はするどく、ひどくぶっきらぼうな態度だ。
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