第四章

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「真白ちゃん、その辺にしておきなよ〜」 「こいつ、初日から死んじまうぜ」 私を止めに来たのは横で稽古をしていた永倉と左之助だった。 息切れして、膝に手をついている市村を見下ろしてため息を吐いた。 「良かったね、永倉と左之助がいて」 私はそう呟き、竹刀をしまって道場を出た。 汗をかくほど動いていない私はそのまま土方の部屋へと向かっている途中で山南さんに会った。 私、そう言えばこの間のこと謝っていない気がする。 「山南さん……!」 「おや、真白さん。どうしました?」 山南さんはいつもと変わらない柔らかな笑みを浮かべている。 言わなきゃいけないのに、言葉が出てこない。 ただ、ごめんなさい、って言うだけなのに。 「真白さん?」 心配そうに顔を覗き込んできた山南さんは変わらず柔らかな笑みを浮かべている。 どうしよう。 そう思っていたら山南さんの手が頭の上に優しく置かれた。 「無理しなくていいんですよ」 私は首を横に振った。 これは言わなきゃ駄目。 「山南さん、あの時は……ごめんなさい」 私は深く頭を下げた。 今、山南さんはどんな顔をしているんだろう。 あの優しい笑みが冷たいものに変わっていたらどうしよう。 頭を上げられない。
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