第四章

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全員でご飯を食べ、それぞれが動き出した頃、私と市村は道場にいた。 周りには他の隊士もいたものの、誰一人として私には話しかけてこない。 「よぉ、鉄之助!!死ぬなよ!」 「まぁ、頑張りなよ〜」 左之助に背中を叩かれ、永倉には肩にポンと手を置かれていた市村。 私たちは端の方でやることにした。 「え?俺、何かされるの?」 「何って?稽古でしょ」 私は市村に竹刀を渡した。 「じゃあ、素振り五百ね」 「うっす!!」 元気よく返事をして、無言で竹刀を上から下へ振っていた。 私はただその姿をじっと見ていた。 私が言えることではないが、刀を振るだけの筋力がないように思う。 だからあの時、私とやっても打ち負けていた。 「ねぇ、刀握ったことないの?」 「え、なんで?」 「筋肉がない。それに手にタコもない。体力もない」 市村は素振りを続けながらも私の問いに答えた。 「全くない訳じゃねぇけど、握らせてもらえなかった」 「握らせてもらえない?」 市村は頷いた。 どうやら市村には兄がいて、その兄も新撰組にいるようだ。 その兄が過保護すぎてまともに刀を触らせてくれなかったようだ。 そんな状態でよく新撰組に入ろうと思ったな、と私は思う。 「市村の兄は市村を死なせたいのか?」 私がそう聞くと市村はぴたりと素振りを止めた。
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