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「これが隊長たちだ。まだ色んなやつがいるが、とりあえずな」
「ねぇ、土方さん。僕は反対だけど」
そう言ったのは沖田だった。
チラッと私を見て大きくため息を吐いた。
「だって、この子、女の子でしょ。そんな子を此処に連れてきてどうするわけ?」
周りが一瞬、どよめいた。
私は土方の方を見た。
私のこと、誰にも言ってないの?
「土方さん、女の子連れてきちゃ、流石にまずいでしょ」
「まぁ、俺は最初から見抜いてたけどな」
永倉と原田がそう言う。
女が此処にいたら駄目なの?
私、また一人ぼっち……?
無意識に土方の袖を掴んでいた。
すると土方は私の頭を撫でた。
「問題ねぇ。こいつは強い」
その一言に周りは静まり返った。
その後に聞こえてきたのは笑い声だった。
「君が強い?弱いの間違いじゃなくて?土方さん、ついにボケましたか?」
「……うるさい」
私は小さな声で言った。
そして、土方を見上げた。
「好きにしろ」
私はその一言ですぐ畳を蹴り、一瞬で沖田の目の前にきた。
「馬鹿にするな」
そう言って刀が入ったままの鞘を沖田の首元へ突きつけた。
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