第一章

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負けた……。 悔しい。 本当の殺し合いなら私は死んでいた。 「強いな、真白!」 「いや…別に……」 周りで何かを言っている。 私は疲れてその場に座り込んでしまった。 私は負けたんだ。 体力のなさに驚いた。 「お前ら、いつまでやってんだ!!さっさと仕事してこい!!」 道場にきた土方の声で、私は我に帰った。 周りを見渡せば道場にいるのは私だけだった。 私の目の前に足が見えた。 「どうだ、新撰組は」 「負けた。私が……」 「そりゃ、新撰組の隊長たちと連戦すりゃあ疲労も溜まって負ける」 私が顔を上げると土方はフッと笑って私の頭を撫でたが、私はその手を振り払った。 「負けたら死ぬ」 「そりゃ真剣でやりゃあな。その前にもっと強くなれ」 振り払ったはずの手はまた私の頭に伸び、乱雑に撫でた。 「お前は強いから自信を持て」 私は静かに頷いた。 私は此処でもっと強くなる。
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