18人が本棚に入れています
本棚に追加
負けた……。
悔しい。
本当の殺し合いなら私は死んでいた。
「強いな、真白!」
「いや…別に……」
周りで何かを言っている。
私は疲れてその場に座り込んでしまった。
私は負けたんだ。
体力のなさに驚いた。
「お前ら、いつまでやってんだ!!さっさと仕事してこい!!」
道場にきた土方の声で、私は我に帰った。
周りを見渡せば道場にいるのは私だけだった。
私の目の前に足が見えた。
「どうだ、新撰組は」
「負けた。私が……」
「そりゃ、新撰組の隊長たちと連戦すりゃあ疲労も溜まって負ける」
私が顔を上げると土方はフッと笑って私の頭を撫でたが、私はその手を振り払った。
「負けたら死ぬ」
「そりゃ真剣でやりゃあな。その前にもっと強くなれ」
振り払ったはずの手はまた私の頭に伸び、乱雑に撫でた。
「お前は強いから自信を持て」
私は静かに頷いた。
私は此処でもっと強くなる。
最初のコメントを投稿しよう!