第一章

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「…何か悪いことした?」 「いや、見抜かれて図星だったんだろ。気にするな」 そう言って私の頭にポンと置いた手が温かく感じた。 そして、とある部屋に入った。 「今日はもう遅いから寝ろ。明日、近藤さんにお前を紹介する」 「わかった。……この頭巾、取らなきゃだめ?」 「近藤さんの前では取れ。別にお前の容姿について何か言う人じゃねぇよ」 私は頷いた。 そして、部屋の隅に行き、刀を私の手の届くすぐそばに置き、座った。 「何してんだ」 私は首を傾げた。 何かおかしいことをしたのかな。 私の寝る場所は部屋の隅で小さくなって寝ることが決まっていた。 だから、いつものように部屋の隅に座ったつもりだった。 気付けば土方は布団をもう一組敷き終わっていた。 「お前はこっちで寝ろ。そんなところにいたら体が冷える」 土方の寝るであろう布団の隣を指差した。 土方を見ると早くしろと言われた。 枕元に刀を置いた。 「あったかい」 「…そうか。火消すぞ」 そう言って火を消し、土方は布団へ入った。 何もかも夢のようだ。 私の容姿を綺麗だと言って、此処へ連れてきてくれた。 そして、暖かい布団をくれた。 しかも、私が寝ていい場所だった。 夢じゃなきゃいいのに…
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