第一章

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「兎に角、こいつは仲間だ」 「……わかりました」 どこか納得がいかない顔をしていたが、土方の言うことに従っていた。 「こいつは斎藤一。三番隊隊長だ」 「副長に何かあれば斬る」 「そんなに怖い顔するな。ったく…。まぁ、こいつは強いぞ」 「私より?」 「どうだかな」 私は斎藤の顔をじっと見た。 確かに強そう。 でも、負けない。 「副長、自分はこれで」 そう言って斎藤は去って行った。 「さみぃな。部屋入ってこい」 そう言って土方は先に部屋の中に戻り、布団の中へ入っていた。 私は障子を閉めた。 「これ…どうしたら?」 「ああ、その辺投げておけ」 かけてもらったぶかぶかの羽織を私は畳の上にそっと置いた。 「まだ早い。寝とけ」 「でも…」 「いいから」 私は刀を枕元に置き、少し温もりが残っている布団へ入った。 目が覚めてしまった私はただぼーっと天井を見ていた。 気がつけば隣からは寝息が聞こえる。 私、こんなにしてもらっていいのかな…? 昨日の今日で、いいことばかりしてもらっている。 こんな私に、ここまでやってもらう資格なんてないのに。
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