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フレッドの真剣な様子にジョンは一瞬唖然とする。 「ロレッタ様との関係?あぁ、すみませんお伝えしていませんでしたかね。私ロレッタ様があのフレッドの婚約者の時に護衛としてお仕えしていました」 ジョンはフレッドにそう答えた。 「だから、そうでなくて…ロレッタとの個人的な…」 フレッドが聞きたいことはそこではないとさらに詰め寄ろうとする。 「そこまでです、詳しくは何処かで落ち着いてから聞きましょう。兵士達も待たせてますからこのまま時間が経ちすぎたら大変なことになりますよ」 シドがフレッドの暴走を止めた。 「待てシド!これは大事な問題なんだ」 「はい、はいわかりました。だからこそ後でにしてください、ゆっくりと時間を取った方がよろしいでしょう?」 「フレッド様、よくわかりませんが私でわかることならなんでもお話致します」 ジョンは戸惑いながら頭を下げた。 「ほら、この方は誠実で真面目で人の話をよく聞く人のようですね。これは異性に好かれるのも納得です。フレッド様とは違って…」 シドがそっとフレッドに囁いた。 「わ、わかった…すまなかったジョン殿、少し興奮してしまった。置いてきた兵士達をここに招いてもいいかな?」 「はい、もちろんです。いま城までの橋を降ろしますのでそのままお進みください」 ジョンは頭を下げてさがると仲間達に指示を出した。 フレッドはとりあえずはこの場が落ち着いてからだと ロレッタとの関係の事は今は諦めた。 兵士が仲間の兵士達を呼んで来るとフレッドとシドが指示を出す。 ロレッタはそれを少し離れてじっと見守っていた。 程なく兵士達が揃った所でジョン達の方も城へと渡る橋が降りた。 「城を守る橋とは攻め落とすのは大変そうですね…」 シドは橋を渡りながらフレッドに話しかけた。 「城をグルっと堀で囲んである、守るのに適して見えるが逃げ場が無いとも言える。橋をかけられたり火でも投げ込まれたら?」 その状況を想像してゾッとした。 「こんなところにロレッタがいたとは…もっと守りを固めないと…」 フレッドは橋を渡りながら欠点を探した。 城に入ると中は荒れ果てていて、逃げ遅れたかまたはここに残ることを選んだ民達が滞在していた。 「城に住ませているのか?」 フレッドがジョンに聞くと、悲しそうに頷いた。 「城下ではいつ誰に襲われるかわかりませんから…今やここは無法地帯です」 ロレッタは悲しそうな顔で皆を見つめていたと思うと、息を吐き気を引き締めた。 「ロレッタ、無理をするな」 フレッドはそんなロレッタが心配になって声をかける。 「いいえ、大丈夫です。こんなところで私が沈んだ顔をしている訳にはいきません。私はこの国の人を助けたいとフレッド様についてきたのですから」 ロレッタは安心させるようにフレッドに笑いかけると、元気のない人達の元に歩み寄った。
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