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葵に開放された後、私は葵に背中を向けて布団を被った。
葵は私から枕を奪うと、私の首の下に自分の腕を差し込み、腕枕をしてきた。
突然の事に胸がキュンキュンどころじゃない、ドキドキドキドキ急激稼働し始めた。
背中を伝わり、私の心音が葵に聞こえるんじゃないかと思うくらい鼓動は速くなっていた。
「こっち向いて」
葵の声はいつもより優しく感じた。
普段なら、絶対にこっち向け!って上からの命令口調。
今日はやっぱり機嫌が良いらしい。
私を連れて外食に行ったくらいだから、機嫌は良いのだろうと思った。
「何で?」
私は平然を装い、わざとぶっきら棒に聞いた。
「何でって、顔見て眠りたいじゃん?」
何を言ってるんだろうと思った。
私は黙ったまま、無視して目を瞑った。
「おい!話、聞いてる?はぁー、じゃあ場所代われ!俺がそっちに行く」
しびれを切らした葵は起き上がった。
そこで私は葵がせっかちだったことを、思い出した。
葵は私を跨ぐと、私が向いていた方に横になった。
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