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私は目開け葵を睨むと、再び葵に背中を向けた。
「何なのお前?」
葵の苛立った声が私の背に浴びせられた。
「自分こそ何なの?」
私は振り向きもせず淡々と言った。
「お前の顔見ながら寝たいって言ってるだけだろ。ダメなのかよ?」
スゴく嬉しくてキュンキュンするような事を、葵はサラッと言った。
けど、その言葉に私は腹が立ってしまった。
自分の機嫌次第でコロコロ態度を変える葵に腹が立った。
チャラ男だけど、私にだけはいつも一貫してオレ様でド゙Sで意地悪。
それなのに、他の女にしてるような言動をされたと感じて頭にきてしまったのだ。
「自分の気分次第でコロコロ態度変えて何なの?1度や2度寝ただけで、自分の女みたいに思わないでくれる?私をその辺の女と一緒にしないで!」
そして私は布団に潜った。
怒りに任せて、ついつい本音をぶつけてしまった。
言わなきゃ良いのに言ってしまった…
終わった…
そう思った。
私なんかその辺の女以下だと自覚していたのに、つい怒り任せに本音が出てしまった。
そして自分が葵にとって特別だと、どこかで自惚れていたことを思い知った。
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