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そのチャラ男、曖昧な関係。
「よっ!」
そう言って、チャラ男は当たり前のようにウチに来る。
(何が、よっ!なんだか…)
私は不機嫌そうに迎え入れる。
チャラ男は私の機嫌など全く気にはしない。
「腹減った。何かねぇの?」
そう言うと、チャラ男は当たり前のようにリビングのソファに横になりテレビを付けた。
(本当、自己チュー…)
彼は不定期に私の家にやって来る。
前触れもなく突然来て、我が物顔で振る舞う。
私が何か言ったところで、恐らく何も変わらないことを私は嫌と言うほど知っている。
彼がウチに来るのは、これで3度目。
私は溜息を吐きながら、冷蔵庫を開けてそんなことを考えていた。
気が付くと彼が私の後ろに立っていて、私を囲むような仕草で冷蔵庫の中を見ていた。
私が彼のその横顔に見とれている間、彼は冷蔵庫のドアというドアを開け、中身を隅々まで確認していた。
「なーんもねぇな…」
そして、出た言葉がコレ。
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