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帰宅すると、彼は勝手にシャワーを浴びだした。
シャワールームから、鼻歌が聞こえてきた。
機嫌は良いらしい。
彼は上半身は裸のままで髪を拭きながらシャワールームから出て来ると、私にもシャワーを浴びるように言ってきた。
だけど私は知っている。
彼にとって私は都合の良いオンナ。
結局、ただの都合の良いオンナでしかない。
こうやって私がシャワーをしてる間、彼はいつも誰かに連絡している。
そして私がシャワーから出れば、当たり前のように彼は私を抱く。
こんなこと、ダメだって分かってる。
これは恋じゃない。
そんなこと、最初から分かってる。
彼と私は、ひどく曖昧な関係。
昔からそうだった。
私と彼はいつも曖昧な関係。
背が高くて、イケメンで、自信家で、オンナに不自由してなさそうな、オレ様でドSで意地悪なクセに、たまに優しさを見せてくるチャラ男。
彼と私の出会いは、今から8年前に遡る。
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