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私とは中学からの腐れ縁で、同じクラスになって5年目の会神原 領と、葵は仲が良かった。
領と話をする時は、いつも傍に葵がいた。
気心知れている領とは違い、葵は私なんかに興味を示さなかった。
チャラくて軽いだけあって、私のような雑魚になんか見向きもしなかったのだ。
だから話すチャンスは何度もあったのに、葵とは1度も話したことがないままだった。
領と話をする間、葵は決まっていつもつまらなそうに明後日の方向をただ見ていた。
だから、私が嫌いなんだろうと感じていた。
その頃、私には付き合ってた彼氏がいた。
男運のない私のルーツを語るには外せない、最初の彼氏。
確か5月の連休前に電話で別れ話をした。
電話中に泣かれたが、伝えることを伝え私は電話を一方的に切った。
最もそれで別れたと思っていたのは私だけだったようで、連休明けの朝に何事もなく話し掛けられた。
放課後はクラスの前で待ち伏せされ、気持ち悪いので走って逃げた。
それを数日繰り返したある日、委員会で遅くなった私は昇降口で靴を履き替えていると、別れたはずの彼氏が背後に立っていた。
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