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「お前がそんなんだから、いつもフラれんじゃねーの?」
私は確かそんなような捨て台詞を吐き、泣いている別れたはずの彼氏を置いて昇降口を出た。
昇降口を出ると、壁に寄り掛かり腕組みをした葵が私をチラ見した。
「お前、オトコいたんだな…」
「見てたんでしょ?修羅場」
恐らくこれが、葵と初めて交わした言葉。
「お前、男運ねーな…」
葵は、フッと笑った。
「いいよ、別に。アレと別れたらこの先一生ひとりだったとしても、アレといるよりはずっとマシだから…」
私はそう言って昇降口を後にしようとした時、別れたはずの彼氏が追いかけてきた。
私は咄嗟に葵の制服の裾を掴み、声を出さずに口パクで【助けて】と言った。
葵はニヤリと悪魔のような微笑みを浮かべ、私の耳元で【貸しな?】と言った。
これが私と葵の悪魔の契約の始まりだった。
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