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「大丈夫です。あの、勘違いとはいえ、私のこと、心配してくれたんですよね。ありがとうございます」
ペコリと頭を下げてから、晴彦さんの顔をそっと覗き込むと、彼は罰が悪そうにそっぽを向いていた。
そんな彼の横顔にドキリと心臓が跳ねたことを、今でもハッキリと覚えている。あの時、私は晴彦さんに恋をしたのだ。
それから、私は彼らとしばらく話をした。彼らは地元の人で、私よりも5つ年上だということ。夏の間は、近くの海水浴場でライフセイバーのアルバイトをしていること。それから、丘の上に秘密基地があること。
出会ったばかりの大人の男の人たちと、ひと時を過ごすことに、私は、いけないことをしている気がしながらも、白鳥さんのサラリとしたスマートさと、無口で無愛想な晴彦さんが時折見せる優しさと歯に噛んだような笑顔に、ドキドキとワクワクが抑えられずにいた。
次の日も、その次の日も、私は彼らと行動を共にした。海沿いの喫茶店で特大のかき氷を食べたり、浜辺でかわいいピンク色の貝を探したり。私のリクエストで、花火もした。けれど、夜遅くなって、親に心配をかけてはいけないと、堅物な大人二人が言うので、まだ明るい夕方に渋々やった。あまり綺麗じゃなくて、そのあと私は不機嫌になったんだっけ。
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