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恥ずか死ぬ
「おもんないと思うけどいいん?」
『んー、最高♡』
「まつりはカメラつけへんの?」
『えー、僕がカメラつけても需要ないと思うけど』
俺はまつりの顔見たい…とかいうの恥ずかしいし…。
「俺だけカメラつけてるん嫌や」
『わかった!』
内カメラをオンにする。
『やっほー』
「……え、外なん?!アホやろ、場所考えて?!」
『あは、ごめん…それともう一つ謝らないといけない』
「なに?」
『仲間がそばにいてる』
「はぁあ?」
慌ててカメラをオフにする。
『あーっ、きっちゃダメだよ!』
「切ってへんし」
『カメラ!カメラ!』
後ろからはクスクスと笑い声が聞こえる。
『初めましてー!心っす!』
「あ、初めまして。雪弥です」
『後ろに居るのが怜とナツっす!』
「さっきテレビ見た。みんなカッコいいから羨ましい」
『あざっす!』
アイドルには似合わない口調に少し笑った。
まつりは、なぜか膨れっ面。
『…僕も雪弥にカッコいいって言われたい』
「俺?」
『うん。…ていうか標準語に戻しちゃったの?』
「ここに馴染めるようになりたいから出来るだけ標準語。…リラックスしてたら出ちゃうけど」
『雪弥さん関西の人なんすか?』
「はい、大阪から昨日きました」
『どこの学校?』
「〇〇高校の一年です」
『えっ、マジ?俺二年。怜は一年で、ナツだけ三年っす!』
「じゃあ敬語使わなくていいですよ」
あれ敬語っていうのか分からないけど。でも意識はしてるっぽいしそういうことにしとく。
『顔見たい』
「顔ですか?いいですけど…別に美形でもなんでもないから面白くないと思いますよ」
『謙遜しちゃって〜』
ケラケラ笑う心さん。
…ホントに普通なんだけどな。
『あーっ!!雪弥カメラだめぇ!!』
「…なんで?」
慌てて止めるまつりに首を傾げる。
『裸見られちゃう!』
「顔だけだよ?俺だってそんな全裸晒したくないし。…それに俺だけ顔見せないって失礼かなって」
『うぅ、でも…』
「心配しすぎ、大丈夫だから」
言いながらカメラをオンにする。
そしたら何故かみんな無言。
「あの…聞こえてます?」
『童顔?かわいーー…い゛ってぇえ!!何すんだよまつり!』
「え??」
画面がグラッと揺れて叫び声が聞こえた。
え、何した?怖いんだけど、?
『ふぅ、ごめんね雪弥!後でLIMEするね!早く体洗って出てね?』
ばいばーい!って言った直後、通話が終了された。
……なんだったんだ。
未だよく分からないまま真っ暗な画面をボーッと眺めた。
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