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気になるかも
お風呂から出て、部屋に戻る。
ベッドに寝転んでジーっとスマホを見つめた。
LIME…なんて打てばいいんだろ。
話したいけど何話せばいいか分からない。
女子みたいに『暇?話したい🥺』ってするべき?でもキモいって思われたら……。
うーんと首を捻っているとスマホが振動した。
考えていたことがあんまりだったからか、過剰に反応した。
『お風呂上がったー?話せる?』
「うん、今上がったとこ」
嘘。ホントは30分くらいスマホ眺めてた。
『よかった〜』
ホッとしている猫のスタンプが可愛くて笑ってしまった。
「それ可愛い」
『でしょ!…あのさ、また通話しよ?』
「うん、いいよ」
返信して、ものの数秒で掛かってきた。
『もしもし!』
「はい。元気だな」
『うん!なんか今日ずっと話してるし一緒にいる気分!』
「俺も。嬉しい」
自然と出た言葉。
『えっ…デレ?可愛い!』
「違っ、そういうんじゃないし!」
『えぇ〜?ツンデレ可愛いのに』
別にツンデレじゃないと思う。嬉しいって言ったけどなんか恥ずかしくなっただけだし。
思わずムッと画面越しに睨みつける。
『そんな顔しても可愛いだけだよ?』
「俺カッコいいって言われた方が嬉しいんだけど」
『でもホントに可愛いよ』
可愛いって言われるとなんだか複雑な気持ちになる。
「そ、そういえば仲間は?」
『あぁ、放っておいて、爆速で帰ってきたよ』
「えっ、それ、いいのか?」
『ん。大丈夫だよ〜』
ニコニコ楽しそうに笑いながら、『そういえば、』と繋げた。
「ん?」
「その服えっちだね〜」
「……は?」
「なんか、結構使ってるのかな?伸びてる感じがするし、乳首の形出てるし首元広いし……なんかすごくえろいよ」
「なッ、ぜ、全然嬉しくない!!」
顔を真っ赤にして怒ると、楽しそうに笑った。
「えぇ〜、僕は好きだけどなぁ」
「き、着替える!!」
バッと立ち上がって、クローゼットからパジャマを取り出す。
「ちょ、ちょちょちょ!!」
「な、なんだよ…」
「待って待って」
「だから何って」
興奮気味に叫ぶまつりをジト目で見つめる。ろくなこと考えてなさそう。
「クローゼットの中の水色のモコモコのやつ」
「!!っ、それは絶っっ対!着ないから!!」
「お願いっっ!」
「ほんまに無理やって!!」
あれは愛海がふざけて買ったやつ。半袖半パンだしお風呂上がりにたまーに着てる。そう、たまに!
「お願い…ダメ?」
と首を傾げて俺をみた。
「無理!」
「えぇー…」
かわい子ぶっても無駄。
「あれは愛海がふざけて買っただけだし」
服を脱いで、パジャマのボタンを止めていく。
「……誰それ」
今日聞いた声で一番低い声にビクッと肩が跳ねた。
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