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しゃがんだままの冬馬の髪についた桜の花びらをそっと指先で摘まむと、ふーっと上に向かって息を吹きそれをくるくると舞わせる。
「任務完了」
「それ、私のセリフ」
「そうだっけ?」
「…たぶん」
「そこは自信持てよ、美姫」
「冬馬のせいでわからなくなってきた」
「俺のせい?」
「たぶん?」
「しっかりしろよ」
「してる」
「じゃあ、let's go home!」
「Yes,let's!」
自転車を押した彼は私の前を通り過ぎる時に、私の頭をポンポンとして
「いい休日になった。ありがとう」
そう言うと道路に出た。
「言い逃げ…」
私の呟きは彼には聞こえていない。帰ったら私もちゃんとお礼を言わなくちゃ。
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