シンプルな恋のち濃厚な溺愛

好きになるかもしれません。

こんなことってあるんだなぁ…部屋に入ってすぐにお風呂のスイッチを押して、春特有の砂っぽさを落とすようにうがいをしながら考える。

話の弾む相手というのは何人かいるけれど、初対面の状態でってすごいことだよね。

そのまますぐにお風呂に入り、お湯にバスオイルを垂らす。あ…冬馬に月曜日のカフェの名前を送ってって言われていたけど後でいいか。彼も月曜日に仕事を休むということだよね。

結婚式の打ち合わせでは限られた時間内で相手の意図、本心を汲み取ろうとしているので、今日冬馬とあれだけ話せば、上辺だけで話しているのかどうか、適当に話を合わせているだけなのかどうかはわかる。

楽しかったな。シャンプーをする間も、いい香りのお湯に浸かる間も彼との会話を思い出していた。

お風呂から上がると、冷蔵庫へ適当に入れていたものを整理する。そして、豚のしょうが焼き用のお肉を塩とブラックペッパーで焼くだけの間に、セロリ、大根、人参のスティックを作る…切るだけだ。お肉に添えるレモンも切ったら完成。こうして、私の平均的な食事はすぐに出来上がるし、このスティック野菜は明日もポリポリと食べる。

そう思っていたのに大好きなセロリへ伸ばす手が止まらない。明日のセロリがなくなっちゃう。一旦休憩、とスマホを持つと冬馬からのメッセージがきていた。