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第五章 金曜日
外には、早咲きの花たちが、この寒空の中、何かを勘違いして花を咲かせている。
気候問題は、何十年も前から論議されているのに、前進しないのは、どうにかなるとどっかで思ってる国、いや、人が多いからだ。
国連で叫んだ少女がいた。
悪いが彼女はこの世界のジャンヌダルクになるだろう。
正義を正義と叫んで何が悪い、だが担ぎ上げられた彼女は、数年前、アジアで、正義を叫んだ女性が暴行されひん死の状態になると、姿を消すようになった。その事実を隠したのは世界だ。
また世界は隠そうとするだろう、正義はこの世界にとって理不尽なもの、悲しいけれどもな。俺たちはちっぽけで、それすら変えることができないんだ、数百年の間、そんな人たちが出ては消えていく・・・
歴史は繰り返すというが、それを止めるすべもまた人間の歴史なんだと思うのだが・・・。
世界史では、コレラや赤痢、そんな病原体を失くした人たちは、さほど有名じゃない科学者たちの頂点にいる、忘れちゃならないのはその下の人たちだと思う。あくまでも代表者であって、それを鼻にかけ、有頂天になってしまえば、上からの圧力でぺしゃんこにつぶれてしまう。
その圧力をかける重鎮たち。
ハアー、これから会いに行かなきゃいけないのか―。
そんな、金曜の午前中だった。
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