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第四話 新生徒会
そして三月十日その日が来た。
「落ち着けよ」
「もう、お前ら何にもないからってー」
「とちってもいいって」
「誰も聞いてないから」
「いつもの開き直りで行け、お前は今からこの学園のリーダーだ」
「もう!リン、変わってよー」
「いやだね」
「そろそろ時間だぞ」
「さていきますか」
「頑張れ、会長」
「いうな!」
卒業式の予行練習最終日。
卒業式の練習が一通り終了、在校生も先生方もいる。
「ただいまより、生徒会新旧の紹介をさせていただきます」
ザワザワとする講堂。
さて行きますか!
まずは三年の卒業生から呼ばれた。わきに出てくる。
そして二年。
「一年」ざわっとした。そうなるよな―なんて去年の事を思い出していた。
「鈴木隆二、金子雄大、竹井麻衣、以上」
ざわざわとする会場。
「二年、新会長、長谷川健、挨拶」
「静粛に、ただ今、任命を受けました、長谷川です、わたくしはあくまで次の春の選挙までの仮の会長ではありますが先輩方から任命を受けた以上、責任をもって全うしたい所存です、さて皆様お気づきの通り、一年が参入してまいりました、彼らが、この先三年まで、見守ってまいりますのでよろしくお願いいたします、先生方にも重ねて申し上げます、彼らはこの先この学園にとって大事な生徒となります、よろしくお願いいたします」
「これにて、卒業授与式、練習を終わります、三年退場、起立」
壇上から落ちてきた健が三年生と握手。
俺たちもそれに続く。
「お世話になりました」
「これからも頼むな」
「四井先輩また何かあったら頼ります」
「大学変わるんだ、もうやめてくれ」
「南せんぱ―い」
「まだよ、しっかりしなさい」
なんて檄を飛ばされたんだ。表の生徒会の面々とも握手をしたのだった。
一年、 クラス替えできたぞ、とプリントを持って来た健。
「いいんですか?」
「いいんだ、なんか引っかかるところがあったら教えてくれ」
「あのー、俺たちも先輩たちのように、見つけなきゃいけないいんですよね」
「必要にかられるからな、裏を見てくれ、チェックはいれてある」
「わ、すごい、これじゃあ個人情報なんて私たちのは筒抜けなんですね」
「そういうこと、あとは君たちの力量にかかってるからね」
「そういうことだ」
三人は集まってぶつぶつ、相談しているようで。
「健、こっちはいいぞ」
「千弘君、ちょっとお願いがあるの」
「リン、これ見てくれ」
「豊田君、これ確認してくれないか?」
俺たちを隣から呼ぶ五人、そして
「開けて―」
ドアの向こうから聞こえる女性の声。
「華、何持って来た」
「持って来たじゃないわよ、卒業式の式次第、あとで貼るの手伝ってよね」
「すまないね、忘れてたわけじゃないからね」
「当たり前、千弘、お花はどうなってるの、松の盆栽は準備できてる」
「それ、豊田、松は理事長室」
「重いんだから、男子貸してよね」
それなら僕がと鈴木が立ち上がった。
「鈴木、豊田、花を取りにハウスにいるんだ、だから理事長室の誰か園芸部員呼んで講堂に運んでくれ」
「はい」
「俺も行きます」
「麻衣ちゃん、手が空いてる?ちょっと手伝って」
「はい、これ、どうしましょう」
「変更ないならこっちで預かる、裏は大体頭に入れた?」
「はい、大丈夫です」
「それなら、これは金庫に入れる、忙しいからな、ちゃんと片づけながらやれよ」
「西田のゆうことは聞かねえとな、後が怖い」
「なんだとー花江、お前それでいいのか?」
「いいでしょう」
「卒業式、頑張れよ」
「何―、その含みは何よー」
「はい、はい、遊ばないでね、ここ、片付けるよ」
忙しい生徒会室でありました。
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