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カナリヤ
それはどこにでも転がっている、量産型の恋。
始まりはそんなありふれたものだった。
違う大学、同じバイト先。
俺がDomで亜貴がSubだった、だからそうなった、ただそれだけの話だった。
そこに運命的なあれこれなんて感じたりしなかったし、亜貴から出てるフェロモンに煽られてバイト帰りにキスをしたのが始まりで。
「好きだ」とか「付き合おう」とか、そんな言葉すらもないままにバイト先から近かった亜貴のアパートで、そのままプレイと言う名のセックスをした。
「Kneel」 と言えば顔を赤く染めて俺の前に膝を折り、「Lick」 も「Crowl」 も命令のまま従順に従う。
ただのバイト友達だった亜貴のそんな姿を、俺は酷く興奮しながら眺めていた。
男とそんな関係になるのは初めてだったけど、小柄で色白、薄茶色の大きな瞳の亜貴はその辺の女に負けないくらい可愛い見た目をしていたから、別に抵抗はなかった。
むしろ控えめで遠慮がちで、皆の話を聞きながらいつもただ穏やかに笑っている、そんな亜貴が普段見せないような蕩けた表情で俺に従う。もっと命令して欲しいと全身で乞う。
それは俺のDomとしての支配欲をかつてない程に満たしてくれた。
亜貴も同じように悩まされていた体調の悪さが改善されたみたいで、そこからなし崩し的に俺たちは頻繁にプレイするようになって。
気付けばいつの間にか一緒にいる時間が長くなった。
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