母娘3人、箱根旅→´23.05.24~25

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 温泉を満喫した我々、いったん部屋に戻ってきた。  髪を乾かし、着替えて、夕食に備える。  このまますぐレストランに行けば、18時半には間に合いそうだ。 「ねえ、これさ」  ふと、祖母が話しかけてきた。 「持ってきちゃったんだけど、どうしよう」  そう言って見せたのは、大浴場のロッカーの鍵。  母と私の目が、テンになった。  チェックイン時に渡された、小さいお風呂の鍵ではない。大浴場の、元からかかっている鍵であった。 「何で持って帰ってきちゃったの!?」 「うーん……なんか持ってきちゃった」  出た、やらかした本人がよくわからない事態。  本人はきょとんとし、娘と孫が大爆笑している図が完成した。  今この瞬間も、空であるにも関わらず誰も使えないロッカーが存在してしまっていることになる。  本来であれば、すぐに戻してロッカーを開放するべきなのだが――。 「いや、時間がない! 夕飯のあとにしよう」  1か所くらい、大丈夫だろう。大浴場はそこまで混んでいなかったし、コロナ対策なのだろうか、あえて間隔を開けて使えないようにされていた。  それより、早くレストランに行かないと。 「ねえ、何で持ってきちゃったの?」  移動しつつ、私はこっそり母に尋ねてみた。 「知らないよ、私がわかるわけないじゃん」  そりゃそうだ。  もしかしたら、小さいお風呂の鍵と混同したのかも、と考える。  しかし、考えたところで真の理由がわかるはずはない。  だって、本人がわかってないのだから。
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