母娘3人、箱根旅→´23.05.24~25

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 食べ物がなくなれば取りに行き、ジョッキが空になれば注文する。  飲みも食べも無制限とは、怖いものだ。エンドレス。  並ぶ料理の中に、子供へどうぞと銘打ったコーナーがある。  ハンバーグ、エビフライ、オムレツ。これらは全てひと口サイズ。それからチキンライス。 「これいいなあ」  子供の好きな味が好きな母、料理の前でつぶやいた。 「え、いいんじゃない、取って」 「いいの? ほら、お子様ランチは大人ダメですって言うじゃん」 「ダメだったら書いてあるでしょ、てか私も食べる」  ハンバーグとエビフライとオムレツを取った。飲んでいるので、チキンライスはパス。 「まあ、普通に美味しいね」 「このサイズがちょうどいい」  そんな母だから、当然アイスにも飛びつく。  大きなパックから、自分でディッシャーで取るアイス。その隣には、ピノのアソートのように、ひと口サイズのチョコアイスが個包装になっていた。  母は、悲しいくらいに握力がない。どれくらいないかというと、ペットボトルの初めが開けられない。  だから一緒にいる時は、私が母のペットボトルを開けてやる。  ちなみに、1人の時はふたを開けられる器具を使っているらしい。  何でも、ダイソーに売っていたとか。  同じく、握力のなさに困っている方は、1度探してみるとよいと思う。  そんなわけだから、何にせよ私が取るのだろうなと思っていた。  当然のように席を立って、母の手からディッシャーを取り上げる。  素面だけど力がない人か、酔っているけど力がある人か。  うーん、足して2で割りたい。  母に限らず、アイスはみんな好きだ。私も好きだ。  おそらく、ここにいるほとんどの人が好きであるに違いない。  だからだろう、パックの方は早々になくなってしまった。 「アイス、後で食べようと思ってたのになあ」 と私は思った。しかし、ないものは仕方ない。 「はい、食べる?」  母が、ピノタイプの袋を破って差し出した。 「いいの?」 「食べなよ、ほらなくなっちゃうよ」 「母ちゃんが食べまくってるからでは」 「いや、私だけじゃないし」
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