母娘3人、箱根旅→´23.05.24~25

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 そんなこんなの会話をしつつ、荷物をまとめていたら。  上から、どんどん宿泊客が降りてきた。 「あれええ」 「めっちゃいるじゃん」 「一体、どこにいたの?」  今回私たちが泊まった部屋は、比較的リーズナブルなタイプである。  もっといい部屋だと、露天風呂が付いている。  部屋の半分くらいが、そうではなかったろうか。  だからきっと、大浴場に行く必要もなかったのだ。ずっと、部屋にいたに違いない。  そりゃ、姿も見ないわけだ。  そして、ギリギリまで優雅に過ごしていたのだろう。彼らは金に余裕があるから(偏見)、箱根に何度も来られる。急いで観光する必要もないのだろう。  というか君ら、チェックアウトの10時とっくに過ぎてるぞ、おい。  宿を後にして、車に乗り込む。  先ほどの女性2人組が、迎えに来たタクシーに乗っていた。  なるほど、タクシーを待っていたのか。  おそらく行き先は箱根湯本駅と見た。  わざと準備に時間をかけて、先にタクシーを行かせた。  嫌だよ、地元のタクシーの前なんか走りたくないもん。  温泉街の狭い道を走っていく。途中、フロントで見かけた別の宿泊客が歩いているのを見つけた。  おお、こっちは駅まで歩いて行くのか。結構、時間かかるけど。  ご苦労なことだ。  車内だから、当然外に声は聞こえない。  相手にバレないのをいいことに、我々はあれがさっきのあの人だ、などと言い合っていた。  道が狭いし。車も歩行者も多いから、どうせそんなにスピードは出せない。周りの様子をのんびり眺めながら進む。  駅前で、タクシーがハザードを出した。  当たりだ。やはり、目的地は駅だった。  我々の目的地は、あと少し先。  車の進みが、グンと上がった。
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