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はつ花と菜の花(あ、どっちも花だ)から、またのんびり歩きながら駐車場に戻る。
途中、箱根焙煎珈琲という小さなお店を見つけた。
その名の通り、コーヒーの専門店である。
私はコーヒーが好きだ。そして、1日目のイタリアンで飲んだちっさいエスプレッソラテでお察しの通り、母もコーヒー好きである。
しかし、目を引いたのはコーヒーそのものではなく――。
「珈琲ソフト!?」
コーヒーのソフトクリームだ。これは、ありそうでなかなか出会えない。
「食べよう」
「食べよう」
私と母は、90度クルリと向きを変えると、店内にまっすぐ入って行った。
「私はいいや」
と祖母。さっきのはつ花でも、ビール飲んだもんね。
「うんまい」
「うんまい」
2人、店の前の小さなベンチに並んで、珈琲ソフトを食す。
母は無類のアイス好きであるが、それゆえに食べるのが早い。
一方の私は、知覚過敏だ。なんてこった。
ソフトクリームは柔らかいので、まだ食べやすい。
唇でカバーしつつ食べられるからだ。
普通のアイスだと、私が1つ食べる間に母は2つ食べてしまう。
私が遅いのか、母が早いのか。
多分、どっちもだな。
さて、こちらの珈琲ソフトも、母が先に食べ終えてしまった。
おかしいな、先に食べ始めたの、私なんだけど。
「ん、うまかった」
母は満足げである。
「これ、また食べに来ないと」
食べたばっかりで、この発言である。
だが、私も同意だ。
食後のデザートに満足し、再び歩き出す。
あじさい橋に戻ってきた。
「おや?」
軽食やコーヒーを売っている、小さな店がある。よく見たら、富士屋湯本ホテルが出している店であった。
「カレーパンとかあるよ」
「美味しそう」
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