21人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんか買って行く? コーヒーとか」
と母が尋ねた。
「うーん、どうしようかな」
「私はソフトクリーム食べるけど」
「え?」
見れば、チョコソフトと抹茶ソフト、普通のソフトがある。それぞれ、ミックスが可能。
「ど、どうしよう」
つい、十数分前に、珈琲ソフトを食べたばかりだ。
しかし、美味しそうは美味しそうなのである。
「母ちゃん食べるの?」
「うん、チョコのミックス」
目の前にソフトクリームがあって、食べないという選択肢などあるか、と言わんばかりの即答っぷりである。
「うーん……じゃあ私、抹茶のミックス」
だってほら、ここでしか食べられないし。
「他は? 何か買う?」
「カレーパン美味しそうだよね」
「菜名ちゃん、買う?」
「うん、買う」
買うかと聞かれたら、自然と頭が下がる。恐るべし、旅行マジック。
「じゃあ私も買おうかな。――お母さんは?」
先ほどからぼけーっと立っている、祖母にも尋ねた。
「じゃあ、買う」
そんなところ、親子で似なくても。
「富士屋のカレーパンだからね、きっと美味しいよ」
「よく知らんけど、多分いいやつだよ」
誰も富士屋ホテルに行ったことないし、富士屋ホテルのこともよく知らないくせに、なんか有名で由緒あるよいホテルというだけで、勝手に全幅の信頼を置いている。
おそらくカレーパンが美味しいであろうことは、ソフトクリームを食べてさらに確信を得た。
「これも美味しい」
「食べて正解だったな、お腹は苦しいけど」
カレーパンはさすがにお持ち帰りだ。
今晩のつまみは、カレーパンと枝豆焼きかまぼこに決定。
組み合わせとしては明らかに間違っている気もするが、まあいいか。美味しいんだろうし。
↓クラシックカレーパンだってさ。
↓見た目は普通のカレーパンだが、さすがの美味しさであった。
パンが美味しい。カレーが美味しい。全部美味しい。
↓袋の裏。クラシックなレストランの写真がプリントされているのが面白くて、撮ってしまった。![8483c91d-96e0-4ae7-88d2-00f7cb1e598b](https://img.estar.jp/public/user_upload/8483c91d-96e0-4ae7-88d2-00f7cb1e598b.JPEG?width=800&format=jpg)
最初のコメントを投稿しよう!