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新横浜を過ぎたあたりで、深川めしを食べた。
なぜこのタイミングか。
新横浜を過ぎたら、次は名古屋まで止まらないからである。
東京から乗って、品川、新横浜まで、隣に人が来るかどうか待ち構えていたのだ。
人が来たら、リュックの置き位置を調整しなければいけないかもしれない。上に置いたキャリーバッグを少し詰めなければいけないかもしれない。
新横浜まで待って、初めてリラックスできるのだ。
ちなみに、東北新幹線の場合は大宮がこれに該当する。
お腹も満たされ、少し眠くなってきた。
ぼんやりと窓の外を見つめながら、自然と眠れるのを待つ。
熱海を過ぎたあたりから、ポツポツと雨が降ってきた。
すぐに大雨になる。窓の上を、張り付いた雨水が何本も走っている。
新幹線が徐行運転を始めた。
「すごい雨だな……」
そんなことを思いながら、徐々に眠気に誘われていく。
名古屋に着くまで、ひと眠りした。
~*~*~
徐行運転の影響で、名古屋には数分の遅れで到着した。
「まあ、こういうこともあるよな」
とりあえず、M子さんと今日の予定の相談がてら、現在地を報告する。
なんとなく、JRの運行情報を見て、ぎょっとした。
新幹線に限らず在来線もそうだが、各地点にて降雨量を計測するようになっている。
川の近くとか、山のふもととか、橋の上とか、特に大雨で危険を招きやすいところだそう。
一定量を超えると徐行運転、さらに規定値を超えると、運転見合わせとなる。
私の乗っているのぞみ11号から後ろが、運転見合わせになっていた。
原因は、静岡で発生した線状降水帯。
つまり、私の乗る電車が通った時は徐行運転でよかったのが、その後もジャンジャン降ったものだから、とうとう止まってしまったというわけだ。
「次の電車にしなくてよかった……」
とは言え、どこかが遅れると他にも影響するのが電車だ。
のぞみは少しずつ到着時間をずらし、待ち合わせの約束時間に遅れることは確定した。
「まあ、着かないよりマシか」
とりあえず、そう思うことにした。
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