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1時間ほど待っただろうか、ようやく電車が動いた。
山陽新幹線と、東海道新幹線の直通運転をやめたらしい。
おかげで、こちらは少しずつでも進めるようになったというわけだ。
動いたと言っても、とりあえず隣の駅まで進むだけである。すごろくで言うなら、永遠に1の目しか出ない状態だ。
とにかく、進んでもすぐ止まる。到着時刻は、どんどんずれこんでいく。
何度かM子さんに連絡するのだが、結局伝えている内容もすぐに嘘になってしまう。
なんだか、オオカミ少年になった気分だ。
M子さんは、昼前から小倉駅に来て、時間を潰しつつ待ってくれている。
いっそ、いったん家に帰っていてもいいよ、と言おうかとも思った。
しかし、彼女の家が駅から近いか遠いのかを知らない。最寄り駅を教えてもらっても、多分私にはわからない。
M子さんはずっと『気にしないでね』と言ってくれるが、とにかく申し訳なくて仕方なかった。
日程はずれるわ、当日は全然来ないわ。乗っている私は、今電車が動いているかどうかわかる。しかし、M子さんにはわからない。ただひたすら、状況のわからない電車を待っているのだ。これは正直、疲れると思う。
止まって動いてを繰り返し、ようやく小倉に着いたのは15:40頃。
約3時間半の遅れである。
さすがに疲れた。
後で知ったのだが、私の乗った電車の後の博多行きは、全て新大阪止まりになったらしい。直通運転をやめた影響だ。
つまり、次の電車に乗っていたら、そもそも小倉に来られさえもしなかったのだ。
危ない、危ない。
↓やっと着いたぜ、小倉。
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