小田原の友人に会いに行く&もちろん箱根も~1日目~→’22.06.17

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 車は芦ノ湖方面へと向かう。  目的地は次のリクエスト、箱根神社だ。  箱根神社にもっとも近いのは、境内に隣接する駐車場だが、他にも芦ノ湖のほとりに数か所ある。  アクセスの良さを重視して、1番近い駐車場を攻めてもいいし、空いてりゃもう停めちゃえの気持ちで、駐車場から神社までの散歩を楽しむもまたよしである。  我々はどうだったかというと――よくわからないまま、芦ノ湖のそばの駐車場に停めた。  いいさいいさ、空きがなくてさまようより、ずっといい。天気も午前中よりは少しよくなってきた。暑くも寒くもなく、歩くにはちょうどいい。 ↓鳥居に遊覧船、湖面と空の水色に挟まれた山。これぞ芦ノ湖。6d4ca0c5-fd48-47ef-9656-11d0921cb22a  分厚い雲の裏側から、午後の日差しがぼんやりと見える。湖面は少し波が立っているように思えた。  湖に沿って歩く道。途中、たくさんの小さなボートが浮かんでいた。  これは観光用だろうか。いや、釣り客向けな気がする。  見たところ、利用している人はいない。釣りをしている人はいるが、浜辺に立ってせっせと竿を振っている。  ふとその先に目をやり――頭に『?』マークが浮かんだ。  ボートが2艘だけ、ずっと奥の方でふよふよ動いているのだ。 「ねえ、あれ人いるのかな?」 とK子さんが尋ねた。 「いや……いない?」 「ね、いないよね」 「いませんよね」  突如、私たちの間にボート流されてる疑惑が浮上した。 「え、だって人いないのに、あんなところまで行きます?」 「そうだよねえ」  なんだあれはと、呆然とする我々。  桟橋の方を見ると小屋がポツリ。開け放たれたドアから様子をうかがったら、おじさんが1人椅子に座っていた。のだが……。 「顔だけきれいに見えない」  寝ているのか何なのか、身体ごとガクンと横に傾けていて、どう覗き込んでも見えないのだ。もはや、そばまで行って思いっきり覗き込まないと、おじさんの確認はできないだろう。しかし私もK子さんも、そこまでする勇気はなかった。 「……」  もう1度、ボートに目を向ける。彼らは流されているようにも見えるし、停滞しているだけのようにも見える。 「もしかしたら、下で重りか何かつけて、泊まっているのかもね」 とK子さんが言った。なるほど、そういう説もあるか。  まあ確かに、私たち何だかんだここでウロウロしている。本当に流されているのなら、もっとわかりやすく遠ざかっているのだろう。 「うーん……行きましょうか」  私たちの目的は、あくまで箱根神社である。遠くでプカプカ浮いているボートではない。 ↓お分かりだろうか。真ん中よりやや右側奥、プカプカ浮かぶボートが。11e33c1e-6ec7-4af0-865b-a5496e40e82d ↓少し拡大。……見えた?b743acfb-6218-4ff9-acd6-9e323fa05b7d
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