いざ北九州へ~1日目はバタバタの小倉編~→23.08.16

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 季節はお盆、8月ど真ん中。  遠く離れたこの小倉も、真夏まっ盛りである。  ゆえに、暑い。  立っているだけでも暑い。当然、歩けばもっと暑い。  さらに、新幹線の車内に長らくいたせいで、副交感神経が少しおかしくなっている気もする。  汗っかきの私は、いつにも増して大汗をかいていた。  タオルハンカチが、すっかりキャパオーバーしている。  M子さんは周りの店を紹介しながら、私は1人で暑い暑いと言いながら、商店街のアーケードを歩いて行く。  ホテルは、駅から5分くらいのところにあった。  途中、私が商店街の通りを勘違いして進みそうになったところを、M子さんに引き留めてもらいつつ、到着した。  私1人だったら、間違った道を端っこまで進んでから、ようやく気が付いたに違いない。  ホテルの玄関を入ると、正面がフロント、右手には食堂があった。朝食はここで取るのだろう。  M子さんには食堂で待っていてもらうことにして、私はチェックインをした。  汗っかきあるある。立ち止まった瞬間、さらに湧き出てくる。  この時の私も例にもれず。ハンカチが追い付かないし、ホテルのスタッフさんの話を聞くのに、あまりゴシゴシパタパタするわけにもいかない。  顔の上を、背中を、滝のように汗が流れていく。さながらサウナに入った人のようになっていたと思われる。  爽やかに説明をするスタッフさんとの対比が、また悲しかった。  チェックインを済ませたら、いったん荷物を部屋まで持って行く。  ここの部屋の鍵は、テンキーであった。  チェックイン時にもらった紙に、暗証番号が書いてある。  これはありがたい。オートロックだと、締め出し事件の恐れがあるが、これなら私でも平気だ。  紙を、パスケースにしまう。  あとは、このパスケースをなくしたり、忘れなければ問題ない。  私をよくご存じの方は意外かもしれないが、物をなくしやすい人間でも、ここなら絶対大丈夫、という領域が存在するものだ。  パスケースは、私にとってその領域の1つに当たる。  何せ、ICカードが入っているのだ。そう簡単になくしてはならない。優先順位はかなり高い。  財布、スマホ、パスケース、自宅の鍵。  ここをなくすと、本当に面倒なのだ。  経験者は語る。
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