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天守の最上階に登る。
ザ・定番、城下を360度見渡せるバルコニー――のはすだが。
「あれ? ガラス張りになってる」
まるで締め切ったベランダのよう。窓ガラスが設置されていて、もちろん外には出られない。
「えー、昔は外出られたんだよ」
とM子さんが驚いている。
このタイプの天守は、私も初めてである。
とは言え、景色が見えるのは変わらない。
城内に入って回って、ようやく、汗が引いてきている。そんな私にとっては、空調の効いている室内でよかった可能性さえあった。
M子さんと並んで、あの山がどうとか、地理を教えてもらった。
予備知識ゼロなのが、非常に惜しい。せめて、どこかで聞いた名前だったら、よかったのに。
お盆のピークを過ぎた、夕方である。思ったより、人はいない。
少なくとも、撤退を余儀なくされるほどの人混みではない。
説明をもらうついでに、雑談混じり。
これぞ、友達と行く楽しさ。
1人では得られない楽しさ。当たり前だが。
得られたら、それはそれで怖いぞ。
~*~*~
小倉城を後にした。
門司港ビール工房の予約は、20時半。
現在の時刻は、18時前。まだ早い。
「どこかで休もうか」
「そうしようか」
過ごしやすい気候だったら、公園を散策するのもいいだろう。だが、この暑さでそれは自殺行為だ。
「ここなら、何かあるよ」
お城近くにある、リバーウォーク北九州というショッピングモールに入った。
「あ、ここどう?」
M子さんが足を止めた。
どうやら、お茶屋さんがやっているカフェらしい。
「いいね、入ろう」
抹茶は大好きだ。甘いものも大好きだ。つまり、大歓迎だ。
入店して席を取り、メニューを選ぶ。
抹茶ラテに、ソフトクリーム、かき氷もある。
うわ、どれも欲しい。
しかし、実を言うと、長時間座りっぱなしだったせいで、やや消化不良を起こしている私だ。
この後、美味しいビールと料理が控えていることを考えると、悪化させるわけにはいかない。
とりあえず、アイス抹茶ラテを頼んだ。
その後、食べたければソフトクリームを食べよう。
席につき、とにかくお喋りをして時間を過ごした。
アイスラテを飲んだら、さらにお腹がふくれた。
勢いに任せて、ソフトクリーム頼まなくて正解だった……。
↓手前が私のアイス、奥がM子さんのホット。
びっくりするくらい抹茶だった。美味。
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