いざ北九州へ~1日目はバタバタの小倉編~→23.08.16

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「美味しかった!」 「本当、よかったよかった」  2人とも、ほろ酔いで道を進む。  私はこのままホテルへ、M子さんは大通りのバス停から、バスを拾って帰る。  時刻は22時半を過ぎているが、こんな時間まで走っているのだろうか。 「うん、大丈夫だよ。いつもこれくらい遅くまで飲み会とかしててもね、バスで帰れるから」  都内――といっても、地域で変わるだろうが――の路線バスは、あまり夜遅くまで走っていない。走っていても、深夜ダイヤとして、23時に1、2本くらいだろうか。  電車の方が、よっぽど遅くまで動いている印象だ。  そんな感覚を持っているものだから、やや心配になったが、M子さんがそういうのなら大丈夫なのだろう。 「もし、バスがなかったら電車で帰るよ」 「うん、そうして」  翌日は、M子さんが車で迎えに来てくれる。  今日が遅かったから、待ち合わせは10時とお願いした。部屋の清掃が始まる時間である。 「全然大丈夫だよ、朝早くなくても回れると思う」 とのことだ。 「じゃあ、また明日ね!」 「お休み!」  手を振り合って、M子さんと別れた。  さて、ホテルに帰る前に、コンビニに寄りたい。  水を買っておく必要がある。それも、2Lの大きいペットボトルだ。  いったん駅まで戻って、ファミマに寄った。地図で探したら、ここが1番近かったのだ。  飲み直し用の酒を買おうか迷って、やめた。さすがに時間が遅すぎる。  この後、風呂も入らなければならないのだ。  お目当ての2Lと、500mlペットボトルも購入した。  どちらもバッチリ冷えている。袋を断って、素手で抱えて持つのだが、冷たいのなんの。  明かりのだいぶ減ったアーケード下を歩いて行く。  日中は気が付かなかったが、実は飲み屋も多い。  飲み終えたであろう人たちがたむろして、道まではみ出ている。  あーあー、盛り上がっちゃって。  意外とこんな感じなんだな、小倉駅の周り……。  そう思って、よく考えたら東京の方がひどいことに気がついた。  慣れとは怖いものである。
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