いざ北九州へ~1日目はバタバタの小倉編~→23.08.16

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 ホテルに戻ってきた。  ひとまずは、風呂だ。  体中がベタベタしている。早く流して、さっぱりしたい。  このホテルを選んだ理由は、人工炭酸温泉が楽しめる大浴場があるからだ。  小倉駅周辺で大浴場があり、かつリーズナブルなホテルは、ここのみであった。  だがしかし、シャワーが3つと少なく狭いうえに、男女交代制である。  ビジネスホテルあるある、温泉頑張って作ったけど、元が広くないからそんなに広い浴場を作れない。  いや、それでもないよりはマシだ。  なお、女性の利用時間は、15:00~17:50、20:00~21:50、翌朝8:00~9:30。  よって、今現在23時は、入れない。  が、返ってそれでいい。今はシャワーだけ浴びてさっさと寝て、朝ごはんを食べた後に、温泉に入ろう。そうしよう、そうしよう。  たったのシャワーだけでも、時間が溶けるのが入浴時間というものである。  バタバタとユニットバスから出て、ぶおーぶおーとドライヤーを当て、シャカシャコと歯磨きをしたら、あっという間に日付が変わってしまった。  うん、お酒買ってこなくて正解だった。  M子さんツアーの内容からして、明日が本番である。もう、寝よう。というか、旅行の楽しさと酔いでマヒしているが、私も相当に疲れているはずなのだ。  うっかり、明日具合が悪くなりました、なんてことになったら、最悪である。  ベッドの掛け布団をめくる。 「?」  枕がおかしい。  いや、おかしくないのだが、長い。そして固い。さらに、高い。  見た目を例えるなら、抱き枕に近い長さだ。抱き枕なら、まだよい。しがみつくほどの柔らかさがあるからだ。  これが、頭を乗せてみると全くしずまない。  痛い。首がひん曲がりそうだ。  そう言えば、1階のフロント横にいろんな枕があったな。固さや大きさが選べて……そういうことか。  チェックイン時は、そこそこ残っていた。でも、さっき戻ってきた時には1つも残ってなかったんだ。  だろうな、この枕だもの。  いっそのこと、枕を外した方が寝やすいかと考え、どけてみる。 「……」  微妙だ。  枕を戻す。高い。  この、ちょうど間が欲しいんだけどな……。  明日は絶対に枕を確保してやろうと誓いつつ、今日のところは無理やり眠りにつくことにした。
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