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このお店、一押しはつけ麺とのこと。M子さんとそろって、おすすめのつけ麺を頼んだ。
「あ、美味しい!」
「やっぱラーメン(これはつけ麺だけど)って、いいよね」
↓つけ汁が小鍋に入っているのには、ちゃんと意味がある。
↓こういうことさ、はっはー。
あちらこちらで食好き、大食いを恥もなくさらしている私だが、実は食べるスピードは遅い。
ひと口が小さいし、飲み込むのも遅い。
嬉しさあまりに頬張るものの、しばらく無言でむぐむぐしている。
早食い競争は絶対に向かない。オエオエ言う未来が見えている。
大量の食事を豪快に平らげるよりは、エンドレスで食べ続ける牛タイプを想像していただけると、よいかと思う。
よほど食の細い人でない限り、たいてい相手が先に食べ終えてしまうのだ。
今回も例にもれず。先にM子さんがごちそうさまと言った。急がなければいけないのは、本来私のほうなのに。
「そうだ、餃子のテイクアウト、私買ってこようか?」
「頭いい! ありがとう!」
M子さんが席を立つ。その間私は、せっせと〆の雑炊をかきこむ。アツアツだから、やっぱり急いで食べられない。
M子さんが戻ってきた。
「あのね、餃子焼くのに15分かかっちゃうんだって」
「ノー」
これは無理だ。明太子を買って、コインロッカーから荷物を取って――さすがに間に合わない。
なお、冷凍餃子も保冷材がもたないとのことであった。やはり、帰宅まで5時間超は長すぎるか。
冷凍餃子は、溶けたらアウトである。食べたい気持ちはあれど、そこまで危険をおかすつもりはない。餃子に失礼である。
泣く泣く、餃子はあきらめた。何やら、さっきから泣いてばかりのような気もするが、仕方ない。それより、目の前の雑炊を完食せねば。
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