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さて、伊勢をめぐると当然、熊野古道の伊勢路(伊勢経由ルートの名称である)が、時々目に留まる。
道そのものを見たこともあるし、観光案内として熊野古道の紹介を見ることもある。
そうなると、だ。
俄然、自分の中に住むロマンチストが顔を出してくる。
ああ、ここからさらに歩いて、山を越えて、熊野まで行ったわけだ。かつての人々は。
どうしても、遠くの山々に気持ちが引っ張られる。
目では見えない、もっとその先の山々へ。
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『くまのほそみち』の伊勢回で、少し熊野に触れている部分があった。
懐かしや、懐かしや。
https://estar.jp/novels/25523683/viewer?page=136
https://estar.jp/novels/25523683/viewer?page=144
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やれ、旅行を控えろだの、飲み会を控えろだの言われたコロナ禍が落ち着き、各地に出かける機会も増えてきた私である。が、大事なことを忘れていた。
そうだ、1人旅がまだだった。
遠方の人に会いに行くことも多かったが、気になる神社仏閣があれば、1人で勝手にホイホイでかけていたものだ。
宮城の松島、広島の厳島神社、岩手の平泉。
このあたりは、完全なるソロ行動だ。
こうして見ると、私の旅の目的って、ほぼ神社か寺だ。
ようし、そろそろこちらも復活させようではないか。
行きたいと思っていて、保留されていた行き先がまだまだあるのだ。
1度行ったところに、再び行くのもよいかもしれない。
しかしまあ、せっかくなら知らない土地を、知った土地にしてみよう。
では、どこがよいか。
……熊野があるじゃないか。
こういう次第である。
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