熊野の熊野による、熊野のための熊野詣~24.02.23~

9/28
前へ
/289ページ
次へ
 名古屋で下車する。いや、寒い寒い。  JRの構内を進み、特急の発車するホームまで移動する。  電車はまだ来ていない。時間も余裕がある。なのに、すでに列ができていた。  なるほど、自由席の人たちか。  南紀特急は、2両編成である。1両が指定席、もう1両が自由席。  閑散期に人が少ないのはわかるが、土日の観光客に2両とは、いささか心もとなくはなかろうか。  自由席の方が、もちろん安い。だが、3時間の長旅を立ったまま、あるいは座っても他の人が気になって仕方ないのは御免だ。私は指定席に乗る。  指定席側の乗車位置にも、すでに人が並んでいた。 「……?」  なんだか、妙に平均年齢が高い。主にじいさんばあさん、おじさんおばさん。ああ、家族連れだろうか、青年と思しき男性はいる。  私のように、女性で1人旅という人は、他に見当たらなかった。もっというと、女性グループもいなかった。  やはり、熊野ほど遠いと、よほど行きたい人しか集まらないのだろうか。確かに、気軽に観光しようぜ~というノリで行ける場所ではない。 「ん?」  列の先頭に、スーツ姿の女性がいる。何やらタブレットを抱えて、旗を持っていた。  ツアー客ご一行か!  ネット予約しようとした際、どうも空席が少なすぎると思っていたのだ。解禁されて、すぐにチェックしたのに、だ。  なるほど、集団でごそっと席を取ったのか。  そりゃ、空きも2、3席しかないわけだ。  特急が、ホームに入ってきた。  終点、名古屋。客が降りて、車内の清掃が始まる。  さあどうぞとドアが開いて、ゾロゾロとじいさんばあさん時々私が乗り込んだ。  じいさんばあさんたちは、おとなしく決められた席に座っている。添乗員の女性が、あちこち回って話をしていた。  なんだか、うっかり修学旅行の貸し切り車両に乗ってしまった気分である。 ↓名古屋、在来線のホーム。下に住所が書いてあるの、珍しくない?fc167caf-a9ac-455d-afa2-89e21a5ccb13 ↓南紀特急5号。9d2fbcda-4675-4194-90ef-1acdaf73f38d ↓こちらは普通の切符を受け取る形。  なお、関東で受け取れる駅は、東海道新幹線の停車駅のみなのでご注意を。176c1b84-7037-466b-89e7-011c810bd0e3
/289ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加