くまのほそみち～その2～

熊野の熊野による、熊野のための熊野詣～24.02.23～

　改札を通って、外に出た。

　正面には小さなロータリー。右手にはタクシーの待機場なのか駐車場なのか、車がまばらに停まっている。その向こうには、私が明日使う予定のトヨタレンタカー。左に少し歩くと道路が走っていて、渡ればローソンがある。

↓駅前のロータリー。

↓振り返って、駅舎はこんな感じ。

　なんと、静かな街だろう。

　人も少なければ、かと言って車がビュンビュン走っているわけでもない。
　そう、高い建物もないのだ。はて、ホテルはどこだろう？

　うん、何はともあれ、ホテルに行こう。

　相変わらず外気は冷たいし、小雨が降っている。できれば傘を持ちたくなかったが、この降り方は濡れてしまいそうな気がする。旅行の初っ端から風邪を引くのもアホらしいので、折りたたみ傘を出した。

　左手に進み、横断歩道を横切り、ローソンの前を過ぎる。商店街――と呼ぶには、ほとんどの店が閉まっていたが――を、1人キャリーバッグを引いて歩く。

　私のキャリーバッグは安物がゆえ、ちょっとの段差ですぐにふらつく。ホテルまでの道は、アスファルトがボコボコで何度も引っかかった。

「あれ、あった」

　細々と並ぶ店の中に、突如ホテルが現れた。緊急車両が止まるためのスペースが設けられているため、建物自体は少し引っ込んでいる。

　1階部分は、エレベーターホールを除くと、ほとんど駐車場である。自動ドアから入って、エレベーターを捕まえる。フロントは3階であった。