熊野の熊野による、熊野のための熊野詣~24.02.23~

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 さて、チェックインを済ませた現在、午後5時前。  今から行って、速玉大社はちと間に合わないか。  しかしホテルのプランは、1泊朝食付。夕飯はない。  どちらにせよ、また外には出なければならないのだ。  それから、鈴カステラで有名な、香梅堂にも行ってみたい。新宮駅でのお土産を調べていた際に、見つけたお店だ。  ここは、夜の9時までやっていると言う。さすがに9時ギリギリでは、もう商品がない可能性があるだろう。が、6時くらいならまだ残っているはずだ。  速玉大社も、神倉神社も、香梅堂も、同じ方向だ。  とりあえず、行こう。行きつつ、考えたっていい。  いってみよう、やってみよう。  Google mapに道を尋ねつつ、歩いた。尋ねると言っても、ほとんど商店街をまっすぐ歩き、最後に曲がるだけだ。  商店街ね……。  時間のせいなのか、こちらもほとんど閉まっている。人なんて、ほとんどいない。  細道が、国道とぶつかった。伊勢から続く、あの42号線である。さすがに、こちらはビュンビュン車が走っている。  その国道を曲がり、少し歩くと店が見えてきた。創業時の姿を残しているのか、見た目は木造でできた建物である。実際は違うのだろうけど。  ドアも、昔の店にありそうな、カラカラ大きな音を鳴らす引き戸だ。重い。加減を間違えると、勢い付いてガターンとうるさくしてしまいそうである。  いらっしゃいませ、という店員さんの声に、どうもだかこんばんはだか、もにゃもにゃ言いながら、入って行く。  中に入り、引き戸を閉めようと背を向けたら、リュックが戸に当たって、バーンと音を立てた。 「あららら」  おそらくこのバーンは、ガラスの音だ。慣れてないから、余計に驚いた。
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