熊野の熊野による、熊野のための熊野詣~24.02.23~

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 気を取り直して、商品を見てみる。  店内はそんなに広くない。商品は主に、鈴焼と、どらやきと、かたやきせんべいが何種類か。ショーケースには、ギフト用の詰め合わせが並んでいた。 「ギフト用じゃなくていいんだよな」  ここのお菓子は、美味しいと評判だが賞味期限が短いらしい。となると、自然と私への土産となる。  旅行はホイとしたって、そう頻繁に人と会うことはない、おひとりさま満喫タイプだ。  あった、あった。袋だけの単品が。  鈴焼20個入り、1袋。賞味期限は1週間くらい。 「うーん、何となく2袋」  せっかくだから、せんべいも何か買おう。何だこれ、現代っ子せんべい?  見れば、和三盆糖で作ったお菓子だ。イメージするせんべいよりは、ビスケットの類に近いかもしれない。 「うん、買っとこう。なんとなく」  こちらも賞味期限は同じくらいだが、まあ大丈夫だろう。いつ食べるのか、特に何も考えてないが、問題ない。食べちゃえばいいのだ。  それよりも、もっと買っておけばよかったと後悔する方が、ずっとつらい。  レジで代金を支払い、ウキウキな気分で戸を開けた。  ありがとうございました、という店員さんの声に会釈をして、表に出る。リュックがまた戸にぶつかって、バーンと派手な音を立てた。  入りも出る時もリュックをぶつけたという、妙な印象を残したまま、店を出た私であった。 ↓帰宅後に撮影した鈴焼き。砂糖と卵とバターの味が濃厚である。  私好みのお菓子だ。和三盆糖、バンザイ。b1610655-97fe-4f32-9456-8170db1f7a20 ↓こちらは現代っ子せんべい。昔ながらのお店なので、おそらく洋風な感じが今っぽいと、そういうことだろうか。  こちらも食べやすくて美味しかった。やはり、和三盆糖にバンザイである。165e568d-3e6d-401a-90b4-d143a3936d95
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