熊野の熊野による、熊野のための熊野詣~24.02.23~

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「おお……」  事前にネットで見ていた、お社そのままである。いや、薄暗い中での神社ってのもいいなあ。  私のほかに、2人組と1人で来ている人がいた。彼らも、参拝に来たと言うよりは、何か入れたからここまで来ちゃった、という雰囲気を出している。  ふと、社務所を見つけた。中は明かりがついており、人もいる。特に、片付けている様子はない。  あれ、もしかして御朱印、もらえる?  だとしたら、こんなに幸運なことはない。聞かずに素通りしてどうする、と己を鼓舞し、そろそろと尋ねてみた。 「すみません、ここってまだやってますか?」 「もうそろそろ閉めますよ。もし何かあればどうぞ」  何と、速玉大社はまだ開いていたのだ。 「わかりました、ありがとうございます」  神社側が、先に御朱印帳を預けてください、と言わない限り、私は先に参拝をすると決めている。  だって、あれは参拝した証としてもらうのだから。順番が逆になってしまうのはよくない。  というわけで、ぴゅーっと拝殿の前まで飛んでいった。  お賽銭を入れて、二礼二拍、一礼。とにかく気持ちを落ち着けて、熊野に来た報告をした。  一発目にしては、ややドタバタな参拝となってしまったのが、申し訳ない。今度来た時は、ゆっくりお参りしよう。  あら、また次のこと考えてる。
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