熊野の熊野による、熊野のための熊野詣~24.02.24~

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 朝食を済ませ、部屋に戻る。  とりあえず、ベッドに仰向けになった。こればかりは、欠かせないホテルルーティンである。 「……」  いつもなら、清掃が入る10時前までゆっくりするところだ。何なら、二度寝したっていい。  だがしかし、今日は9時からレンタカーの予約を入れている。気持ち早めに出なければならないし、寝起きで運転はちょっと自信ない。  のんびりしつつ、でも寝ないようにテレビをつけるなどして、徐々に支度を始めていった。  レンタカーは駅のすぐ目の前だ。従って、ホテルからは歩いて10分程度。  まあ、余裕を持って早めに行こう。どうせ、手続きをして、音楽を繋いで、ナビをセットして、なんやかんやで10分くらいはロスするのだ。店も、その辺は想定して、きっと用意してくれているだろう。  外に出る。昨日ほどは寒くないし、雨も降っていない。  いいぞ、この調子で頼む。  店に着いて、手続きをする。他に客はおらず、用意されている車も1台しかない。店の営業時間は8時半。1日観光に行くなら、今の時間帯にみんな借りに来ると思うのだが……。  うーん、やっぱりみんな、空港から来るのだろうか。  それかいっそ、自家用車でずっと運転してくるのかもね。  ナビで、行先を確認。順当に行けば、40~50分程度。  時刻は9時を回っている。10時前に着けばいいか。山道なので、飛ばして時間短縮という手は期待できない。  レッツラゴー。車は、新宮を出発した。  過ごしやすい気候とは言え、まだ2月である。やや、寒い。1番弱くして、暖房を入れる。 「ダメだ、くもる」  あわてて、曇り取りに切り替えて、風量を最大にした。  しばらくすると、それはそれで車内がやや暑くなってくる。あと、音が大きくてせっかくのBGMが消されてしまう。 「少し弱めようか」  いや、まだ暑いな。いったん、切ってしまおうか。  またしばらくすると、気持ち冷えてくる。何だこれ。  足元だけにしてみたり、窓を開けて調節してみたり、何とも忙しい。  私がすぐにポカポカ暑くなる体質なので、このやや寒い時期のドライブは、いつもこうなのだ。
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