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パリパリ焼きモンブランにすっかり心を奪われた私、翌日の予定に買い物を組み込んで、ぼんやり計画を立ててみる。
計画を立てつつ、常にティッシュを片手に持ち、羽虫を見つけてはせっせとつまんで取る。
こうでもしないと、うっかり布団にまで潜り込まれかねない。いくら変人の私とて、虫と寝る趣味はない。
何となく、予定は決まった。あとは、無理なく起きられて、二度寝しなければ大丈夫だろう。
となれば、早く寝た方がいい。今日だって、かなり早起きしたのだ。
その前にスマホを充電しておこう。キャリーバッグに手を突っ込んで、充電器やケーブルたちを詰め込んだポーチを引っ張り出す。
ケーブルは、iPhone用、ウォークマン用、念のためモバイルバッテリー用。USBは全てType-Aだから、コンセントアダプタが1つあれば、これで事足りる。
スマホの充電に関しては、すでに1つ目論見を外している。ロマンスカーにコンセントがなかったのだ。
実は私、ロマンスカーに乗ること自体が初めてであった。旅行で公共交通機関を利用すると言えば、新幹線、もしくは私鉄・JRの特急電車である。
で、それらには大体席にコンセントがついている。だから、ロマンスカーもあるだろうと思っていた。しかし、なかった。
どうやら、新しいタイプの車両にはついているらしい。しかし、まだ昔の車両もバリバリの現役ゆえ、コンセント付きの電車の割合は高くない。
そもそも、何時何分発の電車は○○、という具合に、時間で車両の形式が決まっているのだ。利用したい時間に、コンセント付きが当てはまらなければ仕方ない。
という情報を、直前に知った私である。
しかし、ないものはないのだ。これはどうしようもない。
いいさ、ホテルでたんまり充電してやれば。
そう思って、アダプタにケーブルを挿した。折りたたまれたコンセント部を立てる。
「!?」
何だこりゃ。
荷造りをする段階では、全く気が付かなかった。どうしてこんなことになっているのか。
確かにこのアダプタ、だいぶ古い。私が学生の時に入手したものではなかったろうか。ゆえに、ナニかが起きてもおかしくはない。しかし、一体、何をしてしまったのだろうか。
コンセントを曲げるって、結構な力いると思うけど……。
一応、挿してみる。もちろん入らない。素手で元に戻そうと試みる。全く動かないし、違う部分が曲がりそうだ。
「……」
モバイルバッテリーに頼るほかない。せっかくコンセントのある場にいるというのに、自宅の電気を利用しているという、この虚しさ。
何で曲がるかな……。
→→小田原の友人に会いに行く&もちろん箱根も~2日目~→’22.06.18
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