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土手に上がり、駐車場方面に向かうはずだった。だから、本来は左に曲がるべきである。
「……」
ところが、私の興味はすっかり右に向いていた。
土手がまだ続いているのだ。行けるところまで行ってみないか。
で、また戻ってくればいいのだ。
ああ、このパターンで何度『行きはよいよい、帰りは怖い』をやったことか。
でもほら、移動は車だから。余計な脚力を使わなくて済む。
だから行こう、うん。
旅やレジャーを楽しむコツは、何かうまい言い訳を思いつくことなのかもしれない。
↓右に曲がって、振り返って撮った鳥居。
↓前方に熊野川。やっぱり水の色がきれいだと思う。
土手の終点まで来た。ゴロゴロの石で出来た階段と、坂が設けられている。なるほど、河原に降りられるわけだ。
では降りよう。
足元は砂利が混じっているので、うっかりズルっと滑らないよう、慎重に歩を進める。
大斎原までは来ても、ここまで足を伸ばす観光客はそういないのだろう、私の他に人はほとんどいない。いても、遠くに1人、2人だ。
せっかくなので、水の近くまで寄ってみる。手を伸ばして浸したら、ちょうどいい冷たさだ。
少し歩き疲れたので、適当な石を見つけて腰掛ける。
「……」
まずい、気持ち良すぎてずっといられそうだ。
↓近くまで寄って撮影。
↓さらに寄る。
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