熊野の熊野による、熊野のための熊野詣~24.02.24~

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 3個食べたところで、フタを閉めた。  やはりお餅は、お腹にたまる。  残り2個なら、今日のおやつか風呂上りか、どこかで食べきれるだろう。  しかし本当に、今食べていなかったら、一体私はいつ5個のお餅を食べるつもりだったのか。  自分の行動に首を傾げながら、車を出した。  広々とした河原に別れを告げ、八咫烏にはまたちゃんと参拝に来るからと言い訳を残し、本宮を後にした。  那智に行くには、いったん新宮まで戻らなければならない。なので、そこまでは行きに通った道と、全く同じになる。  行きでは左に見えていた川が、今度は右に見える。1度走った道だから、前よりも余裕が出てきて、景色を楽しみつつのドライブとなった。  新宮まで戻ったら、今度は国道42号線を南へ進む。途中でバイパス(那智勝浦新宮道路)に入り、ひたすら山の中を突っ切って走った。  那智勝浦ICで降りて、今度は山を登っていく。山にしては、比較的まっすぐで広くて、走りやすい道だ。  と思っていたら、徐々にカーブと傾斜がきつくなってきた。それでも、一応は観光地に向かう道だ。ものすごく走りにくい山道、というわけではない。まあ、観光バスはカーブに苦戦していたが。  山道を登ると、まず大門坂が現れる。ここに車を停め、大門坂から歩いて那智大社を目指すというルートもある。割とお手軽に熊野古道を体験できるコースだ。  だがしかし、私はその先まで行く。初めましてゆえ、まずは最低限の散策をするべきだ。無理をしてはならない。  次に現れるのは、那智の滝の入り口だ。まとまった駐車場もある。  さらに車を進めると、那智大社に向かう階段が見えてくる。  この近辺は斜面を削って作った山道なので、本宮のような広い駐車場はない。  滝の入り口と神社の入り口が、少し離れている。歩いて10~15分くらいだろうか。その間、もしくは近くに、駐車場がポコポコと設けられていた。
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