くまのほそみち～その2～

熊野の熊野による、熊野のための熊野詣～24.02.24～

　どこに車を停めるか、これは人によって最適解が変わってくる。あまり歩くのに自信のない人は、滝の近く、神社の近く、と車を移動させるのも手かと思われる。

　何故なら、入口からまた歩くから。また階段を上り下りするからだ。

　先ほど、滝と神社の入り口が離れていると書いたが、忘れないでほしい。そこは山道なのだ。まあまあな勾配がついている。

　距離にすれば、実はそんなになくて、10分もあれば行けると思う。だが、そこが坂となると話は別だ。だから、プラス5分と申し上げたのだ。

　なので、滝と神社を訪れるなら、それぞれ近くの駐車場に停めるのがベストである。

　だが、休日となると、当然車もいっぱいになる。そうはいかないだろうと、予想はしていた。そもそも昼過ぎから来て、まず空いているのか。

　神社入り口の傍に、50台ほど停められる、比較的大きな駐車場がある。

　そこなら多少は……と考えて、私は坂道を上っていた。
　滝からはやや遠いが、仕方ない。

　と思っていたら。

　神社入り口の手前、反対車線の歩道で、おじいさんとおばあさんがうちわを振っている。

　個人で持っているスペースを駐車場として貸し出しているのだろう。空きありますよ、ということだ。

　窓を開けて、空いてますかと指さしたら、入れ入れとブンブン腕を振ってきた。

　これはついている。カラスの大吉効果か。対向車線もなし。ここは私が取った、とばかりにハザードを点け、ハンドルを切って、車をバックした。

「おりゃああ」

　しかも、ここでは最後の1台。ますます、ついている。
　結果的に、ちょうど滝と神社の間に車を停めることができた。

　車を降り、おばあさんに料金を払った。前払い制だ。

「あそこにもう、滝が見えますよ」
　つられて見ると、本当だ。店や木々の合間から滝が見える。

　というか、この距離からハッキリ見えるって、どれだけ大きいんだ。

　滝でも神社でも、どちらから寄っても構わない。目に入ったし、滝から行ってみようか。

↓駐車場から見える滝。

↓滝の入り口まで下った道から撮影。隙間から滝。