熊野の熊野による、熊野のための熊野詣~24.02.24~

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 左側に社務所がある。あの前を通って行くと、もっと滝を近くで見られる舞台に行けるらしい。拝観料は大人で300円。  まあ、せっかくだし行こうか。  朱塗りの手すり際まで寄ると、顔にしっとりした感触があった。滝のしぶきが、ミストになってここまで飛んできているのだ。  滝は、より大きな音を立てて、ごうごうと流れている。  うちの近所には小さな飛行場があって、時折小型機が上空を飛ぶのだが、そのゴーっという音にそっくりだ。まったく、飛行機のエンジン音に似ている。  滝の上流から、落ちる水を目で追ってみる。白い水は空中でふわりと分裂して、絹布のように広がっていく。さらに細かくなって、最後は岩の向こうに消えて行った。  こうやってじっと見つめると、水の動きがとても繊細に見える。でも、その美しさとは合わないような、轟音が聞こえる。  なんだか不思議な気分だ。それも、非常に心地よい不思議。  うっかり椅子なんぞ用意されたら、何時間でもいられそうな気がする。  もちろん椅子はない。自分の足で突っ立って見る他ないのだが、それでも長いこと立って見つめていた。  1度目で追い始めると、一体どこで切ったらいいのか、わからなくなるのだ。  だが待て、と自分を制する。これからまた歩いて、那智大社にも行かなければならないのだ。  こうして振り返ってみると、結構忙しい行程を組んでいたのだな、と思う。 ↓あの朱い手すりが舞台。あそこまで上って近くに行く。e9a57342-b51b-460d-bf82-8413a29c1ac7 ↓舞台の上から。空を画面に入れたかったのだが、滝が大きすぎて上手く入らないのだ。f428a47c-7a2b-41a0-95de-51d166aec004 ↓というわけで、上流をアップ。しめ縄と紙垂が見て取れる。d9b8431f-3541-4a0a-8b66-16b647322c68 ↓なお、舞台から振り返るとこんな感じ。前ページの鳥居が小さく見える。af0f0b96-b04c-44d8-b180-e6e9c41a9165
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