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左側に社務所がある。あの前を通って行くと、もっと滝を近くで見られる舞台に行けるらしい。拝観料は大人で300円。
まあ、せっかくだし行こうか。
朱塗りの手すり際まで寄ると、顔にしっとりした感触があった。滝のしぶきが、ミストになってここまで飛んできているのだ。
滝は、より大きな音を立てて、ごうごうと流れている。
うちの近所には小さな飛行場があって、時折小型機が上空を飛ぶのだが、そのゴーっという音にそっくりだ。まったく、飛行機のエンジン音に似ている。
滝の上流から、落ちる水を目で追ってみる。白い水は空中でふわりと分裂して、絹布のように広がっていく。さらに細かくなって、最後は岩の向こうに消えて行った。
こうやってじっと見つめると、水の動きがとても繊細に見える。でも、その美しさとは合わないような、轟音が聞こえる。
なんだか不思議な気分だ。それも、非常に心地よい不思議。
うっかり椅子なんぞ用意されたら、何時間でもいられそうな気がする。
もちろん椅子はない。自分の足で突っ立って見る他ないのだが、それでも長いこと立って見つめていた。
1度目で追い始めると、一体どこで切ったらいいのか、わからなくなるのだ。
だが待て、と自分を制する。これからまた歩いて、那智大社にも行かなければならないのだ。
こうして振り返ってみると、結構忙しい行程を組んでいたのだな、と思う。
↓あの朱い手すりが舞台。あそこまで上って近くに行く。
↓舞台の上から。空を画面に入れたかったのだが、滝が大きすぎて上手く入らないのだ。
↓というわけで、上流をアップ。しめ縄と紙垂が見て取れる。
↓なお、舞台から振り返るとこんな感じ。前ページの鳥居が小さく見える。![af0f0b96-b04c-44d8-b180-e6e9c41a9165](https://img.estar.jp/public/user_upload/af0f0b96-b04c-44d8-b180-e6e9c41a9165.JPEG?width=800&format=jpg)
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