熊野の熊野による、熊野のための熊野詣~24.02.25~

1/8
前へ
/281ページ
次へ

熊野の熊野による、熊野のための熊野詣~24.02.25~

 起床。  窓を開けると、雨は絶好調であった。これでもかと言わんばかりに、ザンザン降っている。知らんが、元気そうで何よりだ。  さあ、朝食会場へ行こうと思い――朝食券がないことに気付いた。  実はチェックインした際、2日目の朝食券のみをもらっていた。3日目は、また前日にもらいに来てくださいと。  何でそんな面倒なことを、と思ったが、そう言われてしまっては仕方ない。  でもやると思ったよ。絶対、忘れるって。  私が覚えていられるとでも思ったか。  すっとぼけてもいいが、あいにく嘘は下手な私である。ここはおとなしくフロントに寄って券をもらおう。  朝食は昨日と同じく、6時半から。気持ち早めに行って、それからレストランに行こう。  レストランは2階、フロントは3階。エレベーターを途中下車して、フロントに向かう。あれ、暗いな。  フロントの前には、すでに身支度を済ませてキャリーバッグを持った男性がいる。早っ。何時に起きたのよ。朝、食べてない?  あ、素泊まり組か。  それにしたって、早起きだろう。一体、どこへ何しに行くのやら。  さて、そんな彼らも困ったようにフロントの前で、ウロウロしている。  見ると、『フロントは朝6:30から応対します』というような置き書きが立ててあった。 「あらま」  これまた、やられた。  考えてみれば、当たり前である。よほど大きなホテルでもない限り、24時間人が待機しているわけではない。  仕方ないので、人の気配が現れるのを待つ。待ったところで、先客がいるので、すぐには朝食券をもらえないだろうけど。  スマホの時刻が、6:30を表示した。人はまだ、現れそうにない。  1、2分過ぎたところで、フロントに人が登場した。待ってました。  早起きさんは、何かササっと会話をすると、スッと離れた。どうやら、チェックアウトしたかったらしい。よかった、長い用事じゃなくて。  というか、6時半にチェックアウトって早いな。出張のサラリーマンだって、もうちょっと遅いぞ。  彼が去った瞬間、スッとフロントに寄った。連泊分の朝食券を欲しい旨を伝えたら、あっさりくれた。いや、そこで渋られても困るけど。
/281ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加