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洞窟を出た後は、武具の展示を見た。
その中に、有綱が着ていたとされる甲冑があった。サビどころか、白っぽく変色しており、ちょっと触ったら崩れてしまいそうである。
返って、その様子が現実味を出していたが。
この甲冑、元は洞窟の中に保管していたらしい。とある記者が源三窟の話を聞いて取材したところ、甲冑に武将の姿が浮かび上がった――なんて、話が書いてあった。
以降、甲冑は洞窟から出され、ここに保管されているのだとか。
亡霊を見たという話は、どこかのTV番組で取り上げられたらしい。どれどれと見てみたら、時代は昭和30年とか40年とか、それくらいのものだった。写真も白黒、出ているタレントやアナウンサーも知らない人ばかり。
うーん、思ったより昔の話だった。
源三窟を後にし、来た方と反対に出た。
ほらそうだ、旧道を見下ろしている。
この階段も、下ってしまえばあまり大したことはないのだけれど。下から見上げると、どうも二の足を踏んでしまうのが、インドアの性というものである。
↓下りるぞー。
↓なんか言うとりますが。
↓なんだこれ、なんだこれ。
↓下から見るとこう。……ちょっと怯むでしょ。
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