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さあ、この後はどうしようか。
「私、行きたいところ調べたの！」
とA奈が言う。
聞けば、寄木細工の専門店が元箱根の先にあるらしい。
「おお、いいじゃん、行こう行こう」
それから、先月K子さんに教えてもらった和菓子・菜の花。ここも寄りたい。
湯本に、ルッカの森という名前の店がある(どうして違う名前なのかはよくわからない)。
ここは駐車場付きだ。車利用の我々には非常にありがたい。
「じゃあ、ここも行こう」
「でも帰りでいいか。湯本だからちょうど帰り道だよ」
「OK」
では、寄木細工だけ行くかという話になるのだが――。
時刻はもうすぐ3時。目指す店は4時閉店。
「うーん」
そして何より。
「雨……もっとひどくなってきたな」
「これも明日にする？」
「そうだね、ゆっくり見たいもんね」
「もう宿行った方がよさそうだ」
「帰ってゆっくりしよう」
「そうしよう」
岡田美術館を後にし、強羅エリアに位置する本日のお宿に向かう。
途中、コンビニに寄って、酒やお菓子やおつまみ類を購入した。夕飯のあとも、部屋で少し飲もうという算段である。
コンビニはやたら観光客で混んでいた。きっと、みんな同じだ。観光は早々に切り上げて、ホテルに行くのだろう。
そりゃあ、そうだ。こんな状況で遊ぶも何もない。日が落ちたら、さらに暗くなって運転も危うくなる。最悪、山道によっては通行止めになる可能性も、なくはない。
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